業界のビジネスモデルがどのようになっているか
アドバンテージ・マトリクスのどれにあたるのかチェックしてください。
その上で業界が属する事業型とは違うビジネスモデルの構築可能性を検討してください。
規模型事業から特化型事業への転換を検討する際は、規模型事業の最大の
強みである規模が負債となるようなビジネスモデルが最適となります。
分散型事業から規模型事業への転換は、IT活用と標準化がカギとなります。
【例1】 コンビニエンスストア:規模型事業→特化型事業
北海道にあるセイコーマートというコンビニは、道内シェアは
大手コンビニを抑えてトップを誇り、コンビニの中で顧客満足度全国1位に輝いています。
大手コンビニと違い、24時間営業をせずにほとんどが直営店です。
その場で調理するホットシェフというサービスや店内でパンを焼き上げたり、
地場の素材を活かした商品展開などを行うなど北海道エリア独特のニーズに
応えることに注力しています。
【例2】 ファストフードチェーン:規模型事業→特化型事業
ラッキーピエロという北海道のハンバーガーショップは、
「おいしい」「安心・安全」はもちろんのこと予想を遥かに上回る驚きを演出しています。
商品は手作りで作り置きせず、オーダーが入ってから調理を始めるので
出来たてアツアツを提供しています。加えて、ボリュームや話題性も抜群にあります。
地産地消のこだわりや店舗が異なるテーマで個性的な店づくりだけでなく
母親が家族に食べさせるような愛のある温かい食事を常に提供したいため
店員の75%が主婦で70代の方もいるそうです。
「サーカス団員制度」というポイント会員制度でスーパースター団員になると
様々な特権サービスがあり、既存顧客と良好な関係を構築しています。
観光客が行ってみたいと思わせるとともに家庭的な雰囲気と既存顧客との
関係性を重要視することでユニークなポジションを確立しています。
【例3】 理容業:分散型事業→規模型事業
QBハウスがフランチャイズ方式を活用しながら、サービスを厳選/標準化し
IT投資をすることでこれまでの理容店とは全く違う次元に進化を遂げています。
顧客からすると待ち時間が分からない、時間がかかる、ふらっと利用しづらい
など仕方なく我慢していたことを解消しました。
一方で理容師には、研修プログラムの提供や安定した職場提供や訪問理容など
業界のパイを広げています。
以上より、自社が属する業界のビジネスモデルがどうなっているのか確認し、
何かを加える(取り除く)ことで全く違うビジネスモデルが構築できないか検討してください。
引用:
『戦略市場経営』(1986,D.A.アーカー)
『消費は0.2秒で起こる!』(2018,西田文郎)
『戦略は歴史から学べ』(2016,鈴木博毅)
『問題解決ドリル』(2016,坂田直樹)
http://www.qbhouse.co.jp/
http://luckypierrot.jp/
https://www.seicomart.co.jp/