最高の発想を生む方法

6種類のジャムと24種類のジャムを並べた台を用意すると
どちらが多く売れると思いますか?
感覚的には24種類じゃないかと考えられますが
答えは、6種類の方の台になります。
選択肢を与えすぎることの弊害を見つけた方の
最高の発想を生む方法を7ステップに分けて説明します。
まず、イノベーションとは新規かつ有用なものである
ことに異論はないと考えます。
それは、有用な組み合わせを見抜くことであり、選択に
よって生み出されるものになります。

ステップ1:課題を選ぶ
 階層分析により、スイートスポットを探す。
まずは、自分またはチームが情熱を持って取り組むべき
課題であることが第一。
その上でその課題が一定数に受け入れられる課題であるか
チェックする。
このチェックに階層分析を使用します。
ここでいう階層分析とは、最初に決めた課題を更に大きく
捉えたり、詳細に分解したりすることを指します。
例として、
 最初に決めた課題「プラスチック汚染を減らすには?」
 階層UP「プラスチックを生分解性物質に置き換えるには?」
 階層DOWN「国内のプラスチック汚染を減らすには?」
最後に2つの問いがイエスならステップ2に進みます。
・自分はこの課題を解決できるだろうか?
・自分はこの課題を本気で解決したいのか?

ステップ2:課題を分解

マジックナンバー(7±2)以内に分解しつつ、分解したサブ課題
全てを解決したら、メイン課題の8割を解決できるような
分解を行う。5個以内が理想的。
分解する中でメイン課題を調整可能であることも念頭に入れる。

ステップ3:キャスティング

 自分とターゲットと第三者(キーパートナーや競合・既成勢力)
を設定する。
ターゲットは、以下の属性から設定する。
・デモグラフィック(人口統計学的属性)
 顧客の性別、年齢、在住地域、学歴、職業、所得などを
 セグメントとして分類
・ジオグラフィック(地理学的属性)
 国、地域、都市の規模、経済発展、人口、気候、文化、
 生活習慣、宗教、政策など、地理学属性をセグメント
 として分類
・サイコグラフィック(心理学的属性)
 主に価値観、趣向、宗教などの信念、ライフスタイル、
 心理的特徴などをセグメントとして分類
・ビヘイビアル(行動学的属性)
 利用頻度や利用目的、購入日時、購入商品、購入金額、
 価格感度、閲覧ページ、サイト閲覧時間などを
 セグメントとして分類
第三者は、○○を製造できる企業やXXを販売する企業など
現実的な抽出が比較的容易であるが、ターゲットも上記方法を
用いて、現実に一定数存在することが想像できるように
なっていることが肝要。

ステップ4:望みを抽出

 課題が見つかり、それをサブ課題に分解した今
あなた自身がこの課題について心の底から望んでいることを
確認する。
同様にターゲットと第三者が望むことも抽出する。
このとき、
望みと望みを叶えるための手段を混同しないように注意。

ステップ5:探索

 先行事例の探索については、領域内と領域外の両方で探す。
特に領域外の探索が重要となる。
イノベーションとは新結合であり、領域外の方が新しい
組み合わせになりうる可能性が高いため。
領域外の探索において多様性が重要となるが、メンバーの
多様性だけでなく、自身の多様性も重要である。
(イントラパーソナル・ダイバーシティ)
探索の問いとしては、以下の3つが有用である。
1.汎用検索
 対象を広くして検索
 ex)
 課題:タクシーの利用料金をより安くするには?
 汎用検索:比較的安価なサービスの利用料金をより安く
      するには?
2.部分検索
 対象を別の意味で限定して検索
 ex)
 課題:タクシーの利用料金をより安くするには?
 部分検索:個人交通手段の利用料金をより安くするには?
3.並行検索
 別の具体例で検索
 課題:タクシーの利用料金をより安くするには?
 並行検索:コインランドリーはどうやって低価格で
      サービスを提供しているのか?

ステップ6:選択マップ
 サブ課題について、探索で見つかった解決策を5つ程度
記載する。領域外の解決策を多く記載する。
サブ課題のそれぞれの解決策を組み合わせ、候補を3つに
絞り込む。

ステップ7:望みを比較





 最終案3つに対して、ステップ4の望みが満たされているか
レイダーチャートで点数をつける。
1つに絞り込む。

ステップ8:鍛錬
1つに絞り込んだ案を第三者に説明し、
共感してもらえるか確認する。
最終的に問題がなければ、実行に移す。

『THINK BIGGER』(2023,シーナ・アイエンガー)
『コンセプトの教科書』(2023,細田高広)
『LOON SHOTS』(2020,サフィ・バーコール)
『イシューからはじめよ』(2010,安宅和人)
『世界標準の経営理論』(2019,入山章栄)
『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(2012,入山章栄)
『世界一のアントレプレナーシップ育成プログラム』(2023,ハイディ・M・ネック、カンディダ・G・ブラッシュ、パトリシア・G・グリーン)