プロジェクトマネジメント

いかにチームを強くするか、このことについて
説明します。
強いというと漠然としていますが、私の考えでは
正しくプロジェクトが運営され、問題が発生して
も、その都度適切に対応されることでチーム全員
が安心・集中して取り組んでいる状態だと
考えます。下の図を参照してください。

チームの行動規範は、エフェクチュエーションで
GTDというメソッドを使用してプロジェクトを
管理することで、チームが快適に能力を発揮
できると考えます。
エフェクチュエーションと対極のものとして
コーゼーションがあり、以下のような違いが
あります。

エフェクチュエーションコーゼーション
手中の鳥の原則
 今、自分にあるものから考える
市場調査や調達
 必要なものを考える
許容可能な損失の原則
 どこまで損失を出してもよいか
期待利益の最大化
 都合の良いSWOTなど活用
クレイジーキルトの原則
 協調やコーペティション
利益独占
 利益独占あるのみ
レモネードの原則
 臨機応変
5ヵ年計画
 綿密な計画
パイロットの原則
 わかるところだけに注力してコントロール
計画に基づくマネジメント
 あたかも正確な未来予測
まずは、臨機応変にコントロール可能なことに
注力し、関係者を巻き込んで取り組むんだと
認識していただけたら良いかと考えます。

次にGTDについて説明します。
GTDとは、タスクやプロジェクトを整理して管理
する生産性向上のためのメソッドのことで
3つのモデルから成り立ちます。

Ⅰ.コントロールを取り戻す5つのステップ
 1.把握する
 2.見極める
  把握したものを分類(すぐ、いつか、やらない)
 3.整理する
  これから実行するものは、ToDoリストへ
  検討が必要なものは、課題リストへ
  検討中のままになっているものをルールに
  則り廃棄
 4.更新する
  ToDoリストの順位とモレがないかの確認
 5.選択する
  行動に移す

Ⅱ.集中力を高める6つの視点
 「何を成し遂げたいか」を意識することで
 行動に意義を見出し、より充実した働き方や
 生き方につなげていくことができます。
 自身が属する業界でHorizon Level5の定義が
 難しいこともあるかもしれないが
 焦点を広げて定義することや目的をそれと
 置き換えても何ら問題ありません。
 1.地上
  現在の行動
 2.Horizon Level1
  現在のプロジェクト
 3.Horizon Level2
  重点的に取り組むべき課題
  役割(誰が何をすべきか)を明確にする
 4.Horizon Level3
  1~2年後の目標
 5.Horizon Level4
  長期的なビジョン
  現状維持がビジョンとなることも可能
  ビジョンを掲げるだけでなく、実行に移す
  ことが重要
  チームが目指す大まかな方向性
  その方向性をより具体的に示す要素
  (財務目標、業務効率化、人材獲得など)
 6.Horizon Level5
  人生の目的と原則
  <目的>
   究極の目標というべきもの
   2つ以上あっても構わない
  <原則>
   ・最高を目指す
   ・価値ある仕事をする
   ・持続可能なビジネスを築く
   ・仕事を楽しむ

Ⅲ.ナチュラルプランニングモデル
・目的と原則
 なぜこのプロジェクトをやるのか?
 どのようなルールや指針で取り組むか
・ビジョン
 ゴールの基準の選定
・ブレインストーミング
 考慮すべき可能性や要素をあらゆる角度から
 洗い出す
・整理
 アイデアや要素をまとめ、優先順位や順序を
 決める
 担当を割り当てる(ここが一番の山場)
・次にとるべき行動
 今すぐ動かせるものを見極め、具体的な
 アクションを決める

それらを実践する上で、チームを機能させるため
の重要な要素を以下に記載します。
1.透明性
 現状を正確に把握し、それを継続的に明確化
 すること
 目的や進むべき方向を定期的に見直し、共有
 すること

2.十分な信頼
 仕事における信頼の定義を決める
 (一朝一夕にいくものではない)
 約束そのものよりも、約束を果たそうとする
 意志が重要

3.オープンなコミュニケーション
 誰がどのような発言をしても、ペナルティを
 受けることがない状態

4.継続的な学習
 学習のための時間を確保し、振り返りや改善に
 勤しむ
 1~3の原則にコミットしているチームであれば
 本原則の実践準備は整っている
 学ぶための時間を意識的に確保することが重要

5.多様性
 イノベーションに必要と言われているが、
 チームに一定の余裕が必要

あると望ましい要素
6.状況に応じたリーダーシップ
 適任者を見極め、柔軟にリーダーを選ぶ

7.優先順位を見極める力
 限られた時間やリソースの中で何に集中し、
 何を後回しにするか

8.オーナーシップ文化
 各メンバーが自分の担当範囲だけに責任を持つ
 のではなく、チーム全体の成果に対して責任を
 感じている

9.楽しみながら成果を出す
 仲良しこよしである必要はないが、

10.自ら動く力
 受け身で指示を待つのではなく、自ら状況を
 改善しようとする姿勢

11.言葉の定義を揃える
 チーム内での不要な誤解や摩擦を防止する

『GTDでチームを強化するストレスフリーの仕事術』(2025,デビット・アレン,エドワード・ラモント)
『イノベーションの基本』(2025,手塚貞治)
『ビジネスを育てる』(2024,ポール・ホーケン)